Agriculture

スペインの施設園芸

スペインにはハウスがたくさんある 昔作った資料をもとに話す機会があったので、スペインの施設園芸について手持ちの文献を再度調べていた。 スペインの南部のアルメリア県にはハウスが集中している地域がいくつかあって、特にアルメリア市の西部に位置する…

有機質資材からの窒素放出量を予測したい

有機質資材からの窒素放出 ほ場に有機質資材、例えば牛ふん堆肥であったり稲わらであったりというものを施用した場合、これらに含まれている窒素というのは必ずしもすぐには使いやすい形にならない。有機質資材中の窒素は基本的には微生物の分解を受けること…

キュウリに対して、おそらく同時期に放飼したであろうスワルスキーカブリダニが容易に見つかるほ場と30分探しても見つからないほ場があった。 スワルスキーカブリダニはナスやキュウリの害虫を食べるダニで、生き物だが農薬として登録されている。生き物だろ…

害虫の薬剤抵抗性

害虫の薬剤抵抗性 ある害虫に対し特定の農薬を使い続けていると農薬の効果が低下してくる現象があり、薬剤抵抗性と呼ばれている。その歴史は古く、1908年にアメリカで柑橘の害虫であるナシマルカイガラムシの石灰硫黄合剤に対する感受性が低下したのが最初の…

トマト・ナス・キュウリの世界における単収推移

ちょっと気になったので調べてみた。データは主にFAOSTATから。 トマト 国は日本の他にオランダとスペインと中国を選んだ。深い理由は無い。浅い理由ならある。 オランダ:施設園芸がスゴイ(単収的な意味で) スペイン:施設園芸がスゴイ(施設一箇所に集ま…

海陸風

昨日は大学の後輩の温室を見せてもらいに田原まで出かけていた。 ひと通り色々案内してもらって最後にサーファー見学に海を見ていた。 珍しく休日に出歩いた結果の軽い疲労感もあり海からの風がやけに涼しく感じ……。海風だ(゚д゚)! 海陸風(かいりくふう) 海…

ベンズイミダゾール系殺菌剤と薬剤耐性菌

ベンズイミダゾール系殺菌剤 ベンズイミダゾール系殺菌剤という言葉をそのまま解釈するとベンズイミダゾール環をふくむ殺菌剤ということで、植物に対する病害を防除する農薬のうち、該当するのはベノミル(商品名:ベンレート)なのだが、実際にはチオファネ…

農業用マルチの利用目的と種類別の効果

マルチとは 地温上昇促進・抑制、雑草防除、ドロの跳ね上がり防止など、作物栽培に対し好適な土壌環境を作るためにプラスチックフィルムなどの資材で土壌表面を覆うこと、あるいは覆う資材のことを「マルチ」と呼ぶ。 もともとは稲わらや牧草を株元に敷いて…

害虫の防除と昆虫の色覚

昆虫の色覚 ヒトは青(420nm)、緑(530nm)、赤(560nm)付近にピークを持つ3種類の視細胞(錐体細胞)を持ち*1、概ね400〜760nmの波長の光を可視光として見ることができる。この視細胞からの情報が合成されて色覚が作られるのだから、光の三原色は「青・緑…

天敵についてちょっと詳しくなるための5冊

農業において単に「天敵」というと、昆虫に対する天敵の昆虫を指す場合が多い。 ほんの十数年まで、天敵を利用した農業というのは、教科書には一応乗っているのだが、一体どこでやっているのかよく分からない、というような代物だった。 しかし、現在の状況…

マルチ栽培について

1h30min。もうすこしパパっと書きたい。文字数半分にしたい。添削まで含めて2時間くらいでできるようになりたい。 マルチとは? マルチは英語ではmulchと綴り、「根におおいをする」という意味の単語です。その単語の意味する通り、プラスチックフィルムや稲…

植物の病気について

植物の病気 植物が病気である、とはどういう状態を指すのだろうか。植物本来の機能が十分に発揮されている状態は「健康」と言っていいだろう。つまりその逆、何らかの要因により植物本来の機能が十分に発揮できない状態が「病気」であると言えるだろう。 た…

葉面積指数(LAI)について

単位土地面積当たりの葉面積を(LAI、Leaf Area Index)という。面積を面積で割るので無次元。 地面のある地点から垂直上方向を見たとき、平均して何枚の葉があるか、と問われたらLAIの値がその答。そんな数字。 LAIはいわば空間に占める葉の「濃度」なので、…

農薬の散布間隔図をRのigraphパッケージでプロットしてみた

異なる2種の農薬を作物に散布するとき、間を十分にあけずに散布すると薬害がでやすくなるような農薬の組み合わせがある。 それで、「この農薬を散布してからこの農薬を散布するまでは◯◯日開けろ」というのを図にまとめたものが新版 ピシャッと効かせる農薬選…