ggplot2で凡例のラベルと項目名を操作する

ラベルと項目名を操作する

以下の説明ではggplot2を含めて3つのパッケージを使う。

library(dplyr)
library(tidyr)
library(ggplot2)

データは次のように準備した。

# テストデータの準備
testdata <- data.frame(x = seq(1, 10, 0.1)) %>%
  mutate(sin = sin(x), cos = cos(x))

散布図形式のプロットに適した形にデータフレームを整形する。

# 散布図の骨格を決める
p <- testdata %>%
  gather(ftype, val, -x) %>% # x以外の変数をvalにまとめ、列名をftypeにグループ変数として格納する
  ggplot(aes(x = x, y = val))

geom_line()を使ってグラフを描く。このとき、colorやltyなどの審美的属性にグループ変数をマッピングすることで変数をグループ別にプロットできる。そして、凡例は勝手に追加される*1

# colorをftypeにマッピングする
p + geom_line(aes(color = ftype))

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凡例のラベルを操作する簡単な方法はlabs()関数を使うこと*2で、例えば

p + geom_line(aes(color = ftype)) + labs(color = "関数")

のようにしてやればよい。
しかし、項目名(ここでのsinとcos)まで変更しようとすると、labs関数では設定ができない。項目名を設定するには、スケールを調整する関数を使用する必要がある。カラースケールの場合はscale_color_◯◯()関数にlabels引数を設定する。◯◯の部分にはhueやgreyなどスケール名が入るが、デフォルトの配色ではhueである。

# colorをftypeにマッピングし、凡例のラベルを変更する
p + geom_line(aes(color = ftype)) +
  scale_color_hue(name = "関数", labels = c(sin = "正弦", cos ="余弦") ) +
  theme_grey(base_family = "HiraKakuProN-W3") # OS Xで日本語をプロットする際にはbase_familyの指定が必要

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複数の審美的属性が1つのグループ変数に割り当てられている場合

1つのグループ変数に複数の審美的属性を同時にマッピングすることもできる。

# colorとltyの2属性にftypeをマッピングしたプロットを作成
p2 <- p + geom_line(aes(color = ftype, lty = ftype))
# そのままプロット
p2

f:id:Rion778:20160111212403p:plain
このとき、ラベルの片方だけを変更してしまうと、凡例が2つに分裂してしまうので注意が必要である。

theme_set(theme_grey(base_family = "HiraKakuProN-W3")) # themeのデフォルト設定そのものを変更
# 凡例のラベルをcolorの方だけいじった場合
p2 + scale_color_hue(name = "関数", labels = c(sin = "正弦", cos ="余弦"))

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これを防ぐには、2つの凡例に全く同じラベル名と項目名を設定する。なお、線種のスケールはscale_linetype()で調整できる。

# 凡例のラベルを両方いじった場合
p2 + scale_color_hue(name = "関数", labels = c(sin = "正弦", cos = "余弦")) +
  scale_linetype(name = "関数", labels = c(sin = "正弦", cos = "余弦"))

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labs()を使ってラベルだけを変更する場合も同様で、

p2 + labs(color = "関数", lty = "関数")

のようにしてやる必要がある。

*1:baseパッケージでは凡例は基本的にはlegend()関数などで明示的に追記する必要がある。

*2:labs()関数は他にもtitleやx軸/y軸ラベルの設定もできる。