『植物はなぜ5000年も生きるのか』

メインタイトルで「植物は」とは言うものの、動物の話題も比較的詳細に語られる。動植物、大きなものから小さなものまで、あるいは生物の誕生から進化の過程と話題は広い。
つまるところ、これは「時間」というものを中心に据えて語られる生物の教科書だ。もうちょっとぶ厚くして細かいところまで突っ込んでもいいかなと思ったけど、この話題の手広さはブルーバックスの「軽さ」あってこそかもしれない。
といっても割と細かくて興味深いネタもちりばめられている。
例えば、ヒノキはスギと比較すると耐久性に優れているにもかかわらず、国内で最長寿の樹木はスギであるのはなぜか?といったこと。
それはヒノキが建築材として非常に優れているから、寺院や都の建築ラッシュの際に山奥まで調べつくして切りまくった結果だそうだ。もしもこれほどまでに伐採されなければスギよりも長寿なヒノキがあったかもしれないと著者は言う。
そんな感じで案外知らないことが多く載ってたので面白かった。