葉面積指数(LAI)について

単位土地面積当たりの葉面積を(LAI、Leaf Area Index)という。面積を面積で割るので無次元。
地面のある地点から垂直上方向を見たとき、平均して何枚の葉があるか、と問われたらLAIの値がその答。そんな数字。
LAIはいわば空間に占める葉の「濃度」なので、ランバート・ベールの法則と同様の法則が群落へ差し込む光に対し成立する。

は群落通過後の光強度、は群落頂部での光強度、は係数で、ランバート・ベールの法則のそれと同様に吸収係数と呼ぶ。
この式が表すのは、1枚の葉で(例えば)光量が半分になるなら、2枚なら1/2 * 1/2 = 1/4、3枚なら(1/2)^3 = 1/8、4枚なら、、、というように光量が減少する、ということ。
吸収係数は当然作物や品種により違うのだが、施設トマトでは0.6から0.9程度であるようだ(参考:農業技術大系 野菜編2 トマト)。そこで間の0.75を仮定してグラフを描いてみる。

Rのスクリプトはこんな感じ。農業技術大系に乗っている図に似せてみた。

## --- k=0.75として関数定義 ---
## 光強度
light.int <- function(LAI) exp(-0.75 * LAI) * 100
## 吸収率
light.abs <- function(LAI) (1 - exp(-0.75 * LAI)) * 100

## --- 曲線をプロット ---
curve(light.int, 0, 5, ylab = "", xlab = "")
curve(light.abs, 0, 5, add = T, lty = "dotted") ## add = TRUEで上書き
## title関数使ってみた
title(xlab = "LAI", ylab = "相対光強度・受光量(%)")
## 数式記述
text(4.5, 10, expression(e^{kLAI}))
text(4.5, 90, expression(1-e^{kLAI}))
## 凡例
legend("right", inset = 0.1,
       legend = c("相対光強度", "受光量"),
       lty = c("solid", "dotted"),
       box.lty = 0,
       seg.len = 3)

本題とは関係ないけどtitle()関数の存在を最近知った。
plot()の引数なるべく減らして見通し良くするのにいいかもしれない。
上の例ではLAIが1のときの相対光強度は47%くらいになる。LAIが1増えるごとに光強度が概ね半減するということだ。
ちなみにLAIが1増えるごとに相対光強度が厳密に半減する吸収係数の値は-log(0.5) ≒ 0.693で、トマトの吸収係数に近いことが分かる。
なお、ここでは地表面へほとんど光が到達しないような状況、という仮定が置かれているが、通路があるような一般的なトマトの配置においても値はほとんど変わらず、受光率が5%程度低下するだけらしい。
LAIを何に使うかについての詳しいことはよくわからんので教科書などを見てもらうとして、例えばグラフをパッと見て分かるのはLAIが3程度以上では受光率はあまり変わらないということだ。実際、LAIが4程度まではLAIの増加に伴い収量は増加するが、それ以上葉を増やしても収量はほとんど増加しないらしい。ということを考えれば、LAIが高すぎたら葉かきとかして風通しを良くした方がいいのだろうな、などということになる。
また、理論上は吸収係数がわかっていれば光強度からLAIや葉面積を計算できるということでもある。ただまあ光強度測れるんなら直接それ指標に管理すりゃいいんじゃないのという感じはする。