古典的波動方程式の導出

量子力学とかのテキストを見てると「古典的波動方程式ってのはこんなんなんだよ〜」って軽い感じで書いてあって特に詳しい説明がなくて困ってしまうアレについて。

前提

縦軸に変位、横軸にをとり、次のような弦を考える。

以下では弦の部分の間の微少断片の運動について考えよう。
なお、座標は座標はとし、微少断片には張力のみが作用するものとする。

軸方向への運動

まず、断片の横方向への運動を考えよう。断片についてx軸方向への運動方程式()をたてると、次のようになる。

ここでは弦の単位長当たりの密度、は弦とx軸のなす角である。
が十分小さければであり、で右辺値は0なので、結局張力は等しく

方向への運動

次に縦方向への運動を考えよう。運動方程式は次のようになる。

先ほど右辺に入っていたのは速度だったので偏微分は一階だったが、今回は変位が入っているので二階の偏微分になっていることに注意しよう。
が十分小さければ、sinはtanで近似できるので、




(微分の定義を思い出そう)
よって、運動方程式

となる。
また、張力と横波の伝わる速度の間には、

の関係があるので、結局

となる。これを古典的波動方程式と呼ぶ。