キリンビール名古屋工場を見学してきました


そういえば一昨昨日見てきました。
工場周辺ホップと麦汁の香りが漂っていて周辺大丈夫なのかという感じだったけど50年もやってるということなので多分大丈夫なんだろう。
連休ということもあり見学は予約でいっぱいだった。

仕込み

最初は原料の説明。
ビールの原料は二条大麦(ビール麦)で、小花が2条に並んで咲いているように見える*1、大粒でデンプンをたっぷりと含んでいる。

まずは大麦に水を含ませて発芽させる。これが麦芽(モルト)で、麦芽は85℃程度で乾燥させ、成長を止めた後に根を取り除いて次の工程へと進む。

AR的なものを使った説明があった。
ビールづくりの次の段階は麦汁づくりで、最初は荒く砕いた麦芽を50℃ほどの熱湯とともに仕込み釜に入れる。この時、麦芽に含まれるタンパク質分解酵素が活性化し、タンパク質がアミノ酸へと分解される。次に温度を60〜70℃程度まで段階的に上げていく。すると今度はデンプンが酵素により加水分解され、糖質に変わる。
この段階では麦汁はもろみを含んでいるので、ろ過器を使ってろ過する。この時、最初のろ過で出てきた麦汁を「一番麦汁」と呼ぶ。一度のろ過ではもろみに麦汁が残っているため、お湯をかけて洗い流す。この時回収した麦汁を「二番麦汁」と呼ぶ。通常は一番麦汁と二番麦汁を混合して利用するが、一番麦汁のみを使用した製品もあり、例えばキリンの一番搾りがそれに当たる。
完成した麦汁を試飲することができる。甘い。

このとき、やけに薄っぺらい工場長が出てきて挨拶してくれる。

麦汁はこのあとホップを加えて煮沸され、ビール特有の苦味と香りが付けられる。ホップはアサ科のつる性多年草で、成長すると10m以上の高さにまで成長する*2。キリンではチェコのザーツを中心にホップを輸入している。

発酵

発酵に用いる酵母は様々な株が保管されており、ビールに適したものを選んで使用するらしい。

仕込みの終わった麦汁は冷やした後酵母を加えられ、発酵・貯蔵タンクにて低温発酵させる。

タンク内をイメージしたらしい通路を案内される。

全長23mのタンクの1mmでビール154缶分らしい。

一日1本飲むとタンク一本で4000年分とか言ってた気がするけど、それで計算すると10m分くらいなので1日2本で4000年分だったかもしれない。もしくは発酵タンクと貯蔵タンクで容量が違うのかもしれない。とにかくタンク一本で5000〜1万本分くらい入る。でかい。

そしてでかいタンクが沢山ある。ビールをイメージしたカラーリングらしい。放射よけとかは考えなくていいのだろうかと思ってしまう。

熟成

1週間ほど発行させた麦汁は若ビールと言われ、まだ未熟臭を含む。
若ビールは貯蔵タンクに移され、0℃で1〜2ヶ月かけてゆっくりと最後のアルコール発酵を進める。アルコール発酵の間に発生した炭酸ガスはビールに溶け込むことで発泡性を付加する。

ろ過

熟成の終わったビールは酵母やタンパク質を取り除くためにろ過される。

昔はさらに熱処理により品質の安定化をしていたが、現在はろ過だけを行うのが一般的。熱処理を加えていないビールを生ビールと呼ぶ。

缶・びん・樽詰め、箱詰め・ケース詰め

ろ過の終わったビールはビール詰めのラインへ移される。休日は基本的に稼働してないとのこと。

今回のようにラインが稼働してない場合はモニター(冒頭写真参照)での説明となる。600インチをやたらと強調していた。モニターというかプロジェクターが横に並んでいて画面を繋げている感じ。

試飲

なんか非売品のおつまみが出てきた&おかわりは2回まで。

試飲込みで所要時間70分くらい。

*1:実際は通常食用にされる六条大麦と同様に6条並んでいるが、そのうち対角線の2条のみが肥大している。cf. 二条大麦と六条大麦 | 株式会社はくばく

*2:ホップ - Wikipedia