論文とか書く場合は常識的に考えてLaTeX使うと思いますが,上からの圧力とか投稿規定とか避けがたい理由によりWordを使わざるを得ない場合もあるでしょう.たぶん.しかし恐れることはありません.スタイルの使い方といくつかの設定さえ押さえておけばWordでもまあボチボチ快適に文書が書けます.
というわけでWord使わないといけない場合はエンジニアのためのWord再入門講座 美しくメンテナンス性の高い開発ドキュメントの作り方(Amazonリンク)に載っている設定をしてるんだけど,この本からWord 2007用の設定探すのはちょっとばかし骨が折れるので多少の変更を加えつつ整理したものをメモ.
オプションの詳しい説明はしないので本を見るかヘルプを参照するなどして下さい.
クイックアクセスツールバー
クイックアクセスツールバーとはWord 2007用で用意されたもので,旧ツールバーに相当.位置はウィンドウのタイトルバー.
左上のOfficeボタン -> Wordのオプション -> ユーザー設定 でカスタマイズできる.また,クイックアクセスバーからもこの項目を呼び出せる(右クリックして「クイックアクセスツールバーのカスタマイズ」).
左側「コマンドの選択」というドロップダウンメニューを「すべてのコマンド」にすると膨大な量のコマンドが表れる.必要なものを選択し,中央「追加>>」ボタンによりクイックアクセスツールバーへ追加する.「すべてのコマンド」からは探しにくいので適切な項目を選択した方がいい.残念ながら検索はできないので.
私が追加しているものは以下の通り.「分類」は「コマンドの選択」から選ぶとそのコマンドが比較的容易に見つかる項目名.
コマンド名 | 説明 | 分類 |
---|---|---|
ページ設定 | ページレイアウトタブのページ設定 | 基本的なコマンド |
見出しマップ(チェックボックス) | 見出しマップ(スタイル使用時に有用)表示のON/OFF | [表示]タブ |
フィールドコードの表示 | フィールドコード表示状態のトグル | リボンにないコマンド |
コメントの挿入 | 文書にコメントを挿入する | [校閲]タブ |
コメント(チェックボックス) | コメント表示のON/OFF | [校閲]タブ |
スタイル(ドロップダウンリスト) | 利用するスタイルの選択 | 基本的なコマンド |
スタイル... | スタイルウィンドウ表示のON/OFF | 基本的なコマンド |
スタイルの管理 | スタイルの管理ウィンドウを開く | リボンにないコマンド |
Excel | Excelの実行 | リボンにないコマンド |
PowerPoint | PowerPointの実行 | リボンにないコマンド |
- コメントを印刷の有無は「印刷」->「印刷対象」から選択できる.ただしここはコメントの表示状態に連動するので特に気にしなくとも見た目通りのものが印刷される.
- スタイルを作成/削除/カスタマイズしたいときは「スタイルの管理」を実行する.スタイルを一覧表示させられるため,管理が容易.
スタイル周りが中心.本だとヘッダ/フッタや描画関係のコマンドも入れてるけどリボンから実行してもそんなに負担変わらないかなと思うので入れてない.PowerPointとExcelはちょっとした図表を描く時に便利...かもしれない(使ったことない).
保存時の設定
Officeボタン -> Wordのオプション -> 保存
標準のファイル保存形式を「Word 97-2003 文書(*.doc)」にしておくと余計なトラブルを防げる.
もし2007で追加された機能を使いたければ変更しないこと.
その他の詳細設定
Officeボタン -> Wordのオプション -> 詳細設定
- 「上書き入力モードの切り替えにInsキーを使用する」をオフ(誤操作防止)
- 「書式の履歴を維持する」&「書式の不統一を記録する」をオン
- 「クリックアンドタイプ編集を行う」をオフ(スタイルを使用する場合適切ではない)
大体こんなところ.細かい所は好みで.あと数式使う人は数式番号付きの数式入力エリアを作成しておくと良いかもしれない(Word2007の数式ビルダを使って数式を作成しよう - もうカツ丼でいいよな).
ちなみに多くの設定はスタイルの使用が前提なので,スタイルを使わないとあまり有り難みが分からないかもしれない.というかWordを使用する場合スタイルを使わないと話にならないので,そんなの知らないという人はさっさと覚えましょう.スタイルに関する詳しい解説は冒頭に示した書籍の他以下のリンクが参考になるかと.
ただWord 2007からはかなり使いやすくなったので,クイックアクセスツールバーに追加したコマンドやホームタブのスタイルを適当に動かしてみれば大体の操作法は覚えられるような気もする.
なんだかんだ言っても知識ゼロの状態から適当にやって新しいこと覚えるのにはリボンインターフェース良いと思う.アイコンでかいし.最終的にショートカットで全部やるようになればタブの切り替えが面倒だとかそういうことも無くなるわけだし.