もともと折りたたみの簡素な机を使っていたが、ちょっとボロくなってきたのとモニター4枚設置したら安定性が大分怪しくなったのでそこそこ頑丈な机を買うことにした。そのついでに電動昇降デスクにした。
機種選定
次のような観点でどんな選択肢があるのか調べていった。
- 重量
- 耐荷重
- 天板サイズ
- 可動範囲
- メモリー機能・障害物検知機能
- 価格
色々見ていくと重量とメモリー機能・障害物検知機能の有無、価格以外はあんまり大きな差は無い感じだった。
重量は結構幅がある。総じて重いが、天板まで込みで軽いものだと30kg程度、重いものだと60kg程度といったところ。一人で取り回せないと困るのでなるべく軽いものということで探した。FlexiSpotのEG1-Lightというのが27.4kgで調べた中では最軽量だった(機能面からこれにはしなかった)。
メモリー機能と障害物検知機能は使ったことが無いので勝手は分からなかったが、後で欲しくなっても付けられるものではないので付いているものということで探した。案外ついてない製品も多いのでよく確認したほうが良い。
価格は結構気になった。5万円前後の安いものと、15万円前後の高いもので価格帯が明確に分かれていて、中間的な価格のものはほとんど見当たらない。こういう場合、事務用の椅子とかが顕著だが、安いものと高いものの間に埋めがたい差異が存在していることがあるので結構警戒した。
安いものの代表格はFlexiSpotで、他にも様々なメーカーから電動昇降デスクが販売されている。ちょっと調べるとすぐ分かるが、世の中の電動昇降デスクレビューはFlexiSpotだらけだ。どうもブロガーとかYouTuberに相当配ってた時期があったらしい。
高いものはオカムラだとかプラスだとかコクヨだとかの国内有名家具メーカー、事務用品メーカーのものになる。品質は間違いないと思うのだが、これをレビューしている記事などはほぼ見当たらない。あと公式の関連資料も事務所で使うのを想定したものばかりで、自宅で使う場合の良し悪しが分かりづらい。
また、この価格帯の家具を複数買って比較しているような記事はまず無いので、結局低価格帯の製品だと何か罠があるのかどうかはよく分からなかった。結局低価格帯の商品から選ぶことにした。
結局どれにしたか
SUNONというメーカーの電動昇降デスクにした。スペック上はかなり良く、しかも安い。
- 重量: 31.5kg
- 耐荷重: 100kg
- 天板サイズ: 1200 * 600 (mm)
- 可動範囲: 705〜1190 (mm)
- メモリー機能・障害物検知: あり
- 価格: 35000円前後
ただ懸念要素は色々あった。
SUNON is 何
まずSUNONというメーカーを聞いたことがない。しかも軽く調べた程度ではなかなか情報が出てこない。
Youtubeに電動昇降デスクの組み立て動画があってそれは親切なのだが、日本語訳とフォントからくる怪しさがどうも拭いきれない…
もう少し頑張って色々調べると英語のサイトが出てくる。
見た目はきれいだがページ内の情報からはどこの国のメーカーなのかさっぱりわからない。で、言語を中国語に切り替えるとようやく分かるが、やはり予想通り中国のメーカーらしい。
百度百科によると中国国内でもかなり大手の家具メーカーっぽいので、まあそんなに変な品質のものは作ってないだろうと判断した。
レビューが少ない
Amazonのレビュー件数はそこそこあるが、一般のブログ記事はほとんどない。さっきも書いたが電動昇降デスクのレビューはFlexispotばかり出てきて他のメーカーのものは探してもなかなか出てこない。
まあ件数は少ないもののネガティブなレビューは見当たらないのでまあいいかと思った*1。
組み立て及び軽く使ってみての印象
到着〜組み立て
天板と脚が一緒に入ったダンボールで届く。30kgなので玄関から居室に移動させるくらいは容易だった。2階まで運ぶとかだとそこそこ大変だと思う。
梱包は悪くない。しっかり梱包されているが、取り出すのが大変ということもない。ただでかい発泡スチロールが結構入っているのでどう捨てようか悩んでいる。
組み立てはかなり簡単で、実際他社製品にくらべると部品数も少ないらしい。一人でやって所要時間は1時間くらい(ただし電動ドライバを使った)。一人でもできたが一応2人以上でやれということになっているので可能なら2人以上でやったほうが良い。
脚のネジがM8だったので、手持ちのキャスターを付けた。電動昇降デスクは電源が必要な都合上そう移動するものではないが、無いよりはあったほうが便利。特に色々配線を整理する予定があるならあったほうが作業がしやすいと思う。ただ安定性とかは多少犠牲になる気がする。
操作感・機能
上下昇降もメモリー機能もそれ自体は割と使い勝手は良い。
色々オプションがあって、次のようなことができる。
- メモリー位置への高さ変更の方法
- ワンタッチがデフォルトで、押しっぱなしで移動に変更できる。
- ワンタッチの方が当然楽だが、椅子の肘掛けとかがぶつかって誤動作するのが不安なら押しっぱなしが良さそう。
- 障害物検知の感度調整
- 10kgがデフォルトで、15kg、20kgに変更できる。
- 変更したい理由が何かあるかというと特に無いので、使い所はわからない。10kgでも結構力をかけないと止まらない印象はある。
- 表示単位の変更
- 高さ変更時に高さがcmで表示されるが、インチに変更できる。まあ使うことはないだろう。
設定変更の方法は特定のボタンを長押しして設定モードに入るという特殊操作が必要なので説明書を読まないと無理だと思う。説明書はとっておくかスキャンしておいたほうが良い。なお設定モードから抜けるときに若干不具合があるっぽくて説明書の手順だと設定モードを解除できない場合があってそこはちょっと微妙。
この他にロック機能がある。8秒の長押しが必要なので設定も解除もあまり手軽に利用できる機能ではないが、誤って設定したり解除したりということは無さそう。使うかどうかでいうと一人で使ってる限りは使わないと思う。
安定性
めちゃくちゃ揺れるということはないが、1mくらいの高さで使うと前後にまあまあ揺れる。横方向にはあまり揺れない。
とはいえ単体で使っていてキャスターとか付けていなければほぼ気にならない程度だとは思う。
私の場合は70cmのモニターアームポール2本にディスプレイを2枚ずつ付けて使っているので、机を1mにすると合計で2m近い高さになる。まあ揺れるよねという感じ。ディスプレイはそのうち減らすかもしれない。
設置後に色々やった部分
正直机の設置よりこっちが大変だったし追加の出費を結構した。
キーボードスライダー
前の机にはバウヒュッテの後付のキーボードスライダー(幅70cmのタイプ)を付けて使っていた。
そのまま使えるかなと思ったが、昇降機構がギリギリ干渉するのでクランプを利用しての設置は無理だった。だがこのキーボードスライダーはクランプ部分にちょうどいい具合の穴が空いているので、それを利用してネジ(M3の18mmのタッピングネジを用意した)で固定した。ちょうどいい具合の穴は空いているものの想定された付け方ではないと思うのでおすすめはしない。
そもそも普通のドライバだとネジを回せない構造になっているので、電動ドライバとアングルアダプタが無いと無理だと思う。私はBOSCHの電動ドライバを使っているので、こういうのを買った。ネジと合わせて2000円の追加出費。
あと机ひっくり返すのが面倒だったのでそのまま付けたらめちゃくちゃ大変だったので、もし机の裏に色々付けたかったら最初にやったほうがいい。
配線
もともとデスク横のラックに色々のせてそこから電源とかHDMIとかUSBとかを伸ばして使う感じでやっていたが、電動昇降デスクは動くので配線が干渉するおそれがあり、デスクからあまりたくさんの配線を生やしたくない。
というわけでラックから机の方に物を移動すべく、Mac miniをエルゴトロンのマウントキットを使ってモニターポールに移動するのと、デスク下につけるケーブルトレーとマルチタップを使ってモニターの電源等をデスクに集約するのをやった。なんやかんや2日くらいかかった気がする。
Mac miniはもともとVESAマウント拡張してを置こうとしていたが、エルゴトロンのやつはモニターアームのポールとかにも固定できるので良い。若干高い。
ケーブルトレーはサンワサプライのメッシュタイプのやつを買った。収納スペースが結構でかいから良い。Amazonだとイマイチ価格が安定してない気がするので高かったらサンワサプライの直販で買ったほうが良いと思う。
あとケーブルを固定するやつとか諸々買ったので結局+15000円くらいの出費になった。
最終的にはこういう感じになった。満足。
デスク環境をどうにかした pic.twitter.com/VBvPLemtXN
— かつどん (@nozma) 2021年8月28日
しばらく使ってみての感想
8/13に届いて設置したので、2週間ちょい使ったことになる。
なんか粉が出てて不安
1日に何度か昇降するという使い方をしているが、可動箇所の根本に何かが削れたような粉が落ちている。いまのところ異音などもなく快適に使用できているが、耐久性はどうなのか多少不安はある。
足の裏が痛くなる
裸足で立っていると足の裏がすぐ痛くなる。疲労とはちょっと違う痛みなのであまり我慢できない。家にあるスリッパを履いてもあまり改善されない。あまり歩かなくなって足底筋も弱くなってるので、余計辛い。
スタンディングデスク用のマットを導入するというのが解決策の一つだと思うが、椅子にも座りたいので足元に何かを置くのはあんまりやりたくない。
ということで色々調べていると、リカバリーシューズというのを履くと良いらしい。
ちょっと高かったが買ってみたらこれは良かった。足の裏がなかなか痛くならないので、足が疲れるまで立っていられる。2〜3時間立ってるくらいなら平気。
息苦しくなる
これは体質の問題だが、私は血圧が低いので特に午前中に立って長時間仕事をしていると具合が悪くなるらしいということに気付いた。気持ちが悪くなるとか失神するとか言うことはないが、息苦しさを感じるのであまり良くはない。足の筋トレをもっとしっかりやったほうが良いかもしれない。
立つ時間と運動量が増えた
そのために買ったので当然だが立つ時間が増えた。また、立つことによる運動量の増加は大したこと無いが、立っているとちょっと運動しようという気になってくるのでトータルの運動量は増えた。
ちなみにもともと立って仕事できる道具はあった。手動昇降のスタンディングデスクと、MOFT Zという机の上に置く台を持っていた。これらはこれらで便利だったが、多少のセッティングが必要というのがあるせいで結構気合を入れないと使えなかった。
やはりちょっとセッティングが必要なのとワンタッチで机が上がるのとではハードルがぜんぜん違う。今までだったらゲームやるときに立ってやるなんてことは絶対なかったが、今ではApple watchが立てといえばゲーム中でも立てる。
*1:とはいえ大型家具だといくつも買って比較することはないし、価格も高価なのでサンクコストバイアスがかかり肯定的になりがちではある。もちろんこの記事もサンクコストバイアスがかかっている。