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海陸風

Agriculture Meteorology

昨日は大学の後輩の温室を見せてもらいに田原まで出かけていた。
ひと通り色々案内してもらって最後にサーファー見学に海を見ていた。
珍しく休日に出歩いた結果の軽い疲労感もあり海からの風がやけに涼しく感じ……。

海風だ(゚д゚)!

陸風(かいりくふう)

海は比熱の大きな水で構成されており、なおかつ対流もあるため海面温度の日較差は大きくて1.5℃程度、平均は0.2℃程度とほとんど温度の変化がない。
一方、陸地は日中は太陽光線を受けて温まり、夜間は放射冷却により冷えるため、特に晴天時は温度の日較差が大きく、20℃を超える場合もある。
その結果として夏の比較的穏やかな晴天日に発生するのが海陸風である。
晴天日の日中は陸地が太陽光線で暖められて上昇気流が発生する結果、海から空気が引き寄せられ風が発生する*1。これが海風(かいふう)である。日射の影響が少ない海面付近の空気は陸上の空気より温度が低いため、海風が吹くと沿岸部の日中気温は内陸部の気温より低くなる。
夜間は全く逆で、放射冷却で陸地が冷やされる結果、海面の方が陸地より温度が高くなり、陸地から海面へ風が吹く。これは陸風(りくふう)と呼ばれる。
太陽光線により生じる海陸の温度差の方が大きいため、一般的に海風の方が陸風より強い。
また、海陸風よりも上空では反流と呼ばれる逆方向の風が吹いている。反流は海陸風よりも厚く、風速は1/3程度と遅い。
そして、海風と陸風が入れ替わるタイミングでは風が止む。これが凪であり、朝の凪を朝凪、夕方の凪を夕凪と呼ぶ。
以上の話を図にすると以下のようになる。
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陸風の規模

陸風の最大は海風が5〜6m/s、陸風が2〜3m/sだが、これが地上で吹いているわけではなく、最大風速が観測される高度は海風で200〜300m、陸風で50〜100mである。海風の方が規模が大きいので最大風速が大きく、厚みがある。
陸風の方向は海岸線と直角をなすように吹くような気がするが、実際は地球の自転に起因する見かけの力であるコリオリの力の影響を受け、進行方向に対してわずかに右側にずれる。
陸地における海陸風の水平スケールは10kmから大きくて100km程度である。
鉛直方向の規模、というか反流の流れる高さは手元の資料でははっきりしないが、「一般気象学(第二版)」では850hPa(約1,500m)より少し上に反流の矢印が書いてある図と、700〜1,000m程度の高さを反流が流れる図の両方が書いてあるのでおそらくそのあたりだと思う。
大気が太陽光線で加熱されて膨張する空気の層は1,000m程度だそうだ。
ちなみにこのあたりの話は気象予報士試験でちょいちょい出て、実際の試験だったか過去問だったか忘れたがとにかく間違えた記憶だけが残っていて海陸風はトラウマである。

陸風と沿岸部の気候

陸風の影響と、温度変化しにくい海に近いという立地条件から、沿岸部は気温の日変化が内陸部よりも小さいという特徴がある。特に低温期(低温期は日射が少ないため海陸風は顕著では無いが)の夜間に気温低下が少なければ、暖房費の節減となる。
加えて、太平洋側であれば積雪の心配も少なく、冬季でも比較的日照時間が多い。
そんなことを考えた結果なのか、偶然なのかはよくわからないが、実際、太平洋側の沿岸部には施設園芸の盛んな地域が多い。

参考文献

*1:より正確には、陸地付近の大気が暖められて鉛直方向に膨張した結果、上空の空気が押し上げられ、断熱上昇によって上空大気の温度が下がる。その結果静水圧平衡の関係からその高度での気圧が増し、上層で陸から海へ向かう空気の流れ(反流)が発生する。そしてその空気は海面で下降気流となり、海面付近の気圧を上昇させる。一方、陸の上空空気が取り除かれた結果、陸上付近の気圧は低下するので、結果として海面から陸上へ向かう気圧傾度が生ずる。これが駆動力となって海風が発生する。