7月の読んだ本、積んだ本、買った音楽

飲み会の合間を縫って我ながらよく読んだと思う。しかし常に酔っ払っていたので勉強になるようなは本あまり読んでない。

読んだ

  • ベッドルームで群論を――数学的思考の愉しみ方
    • タイトルがちょっと端折りすぎというか、原題は「GROUP THEORY IN THE BEDROOM, and Other Mathematical Diversions」であって、「ベッドルームで群論を」というのは第1章のタイトルに過ぎない。群論はごく初歩的なレベルの解説にとどまっているので群論に馴染みのある人には最初の章は物足りないかもしれない。しかし、続く内容は乱数表からシミュレーション、遺伝暗号、分水嶺の決め方、P!=NP予想など、広大な分野にまたがって様々な話が繰り広げられる。前提知識がなくても読める類の本だが、例えば生物学や地理の知識があればより楽しめるだろうと思う。また、各コラムは九十年代に雑誌に連載されていたものだが、各章に「後から考えてみると」という節を設けて現代的な始点や当時の読者からの突っ込みを取り上げているところもよい。オススメ。
  • 図解土壌の基礎知識
    • 初版が約40年前なので多少内容の古さは感じるものの、未だに増刷されているだけあって今でも通じる基本的な部分は一通り抑えている。というかこれ一冊分きちんと押さえておけばちょっと知ったような顔してても大丈夫な程度の内容の様に思える(押さえきれてないので知ったような顔できない)。今ぱらっとめくってみるとあまり内容が頭に残ってない&割と重要な内容ばかりなので焦っている。
  • 数学ガール/乱択アルゴリズム (数学ガールシリーズ 4)
    • シリーズ4作目。計算量とか線形代数とかちょっと勉強しないとアレだなーとか思ってたところにこの内容だったので楽しめた。また、前々作、前作と有名だけど完全に理解しようとするとハードル高い題材だったのに比べ、今回は丁寧に読めばちゃんと全部理解できるような内容だったので消化不良もなく良い気分。
  • 絶対音感 (新潮文庫)
    • 再読。ずっと昔に「何でA音の音叉440Hzと442Hzがあるんだろう」とかtwitterに書いたのを発端にある人に教えてもらった本。その人はもうネット上には、少なくとも以前の名前では活動していないのだけれど…。絶対音感とは何なのか、あるいは、過去の歴史において何であったのかということが、音楽家や専門家への取材を通じて語られる。「絶対音感を持つ」ということについて少しだけ分かれたような気分になれる。また、今まで抱いていた「絶対音感」のイメージがいかに幻想めいていたかもわかる。
  • 完全なる証明
    • グリゴリー・ペレルマンについて書かれた本。タイトルだけ見ると勘違いしそうだがポアンカレ予想について説明する類の本ではない。数学的な解説はほとんどなく、その点はむしろ物足りないくらい(例えばペレルマンが証明したソウル予想って何なのか日本語のわかりやすい説明がほとんどWebにないから消化不良気味)。ペレルマンというとミレニアム賞もフィールズ賞も辞退して山奥に引きこもり母親の年金をあてにきのこ狩りをしながら世間を避けて生きる変わり者、というイメージが未だに根強いかもしれない(私も少なからずそうしたイメージに影響されていた)が、この本の著者はそれとは違ったペレルマンの像を我々に見せる。そもそも、ペレルマンは最初から世間を拒絶していたわけではなかった。彼が数学界と恩師との連絡を絶つ前、最後に取材することになったジャーナリストを自宅で予期せず迎えたペレルマンは驚いた様子でこう語ったと言われている「友だちがほしいと思っていたところでした。友だちは数学者である必要はありません」(p.320)。
  • 昆虫と気象 (気象ブックス)
    • つまらない内容ではないんだけど、もうちょっと話題絞って各論つっこんでほしかったなーという感じはある。
  • 第四次元の小説―幻想数学短編集 (地球人ライブラリー)
    • 自分を呼び出した数学者に「フェルマーの最終定理解いてよ」と頼まれた悪魔の物語が読みたくて買った。すごく古いのからちょっと古いのまでいろいろ混ざった短篇集。数学的にちっとも厳密でないネタばかりなので気楽に読める。ちなみに数学的にテキトーな部分についてはコラムで解説やツッコミが入ってるので、完全にテキトーな本というわけではない。
  • コナガ―おもしろ生態とかしこい防ぎ方
    • 再読。去年は仕事でコナガ飼ってたので職場の人が持ってたやつ借りてよく読んだ。Amazon徘徊してたら目について懐かしくてポチった。最初半分くらいはコナガさんが自己紹介してくれる面白い本。ちなみに僕はコナガ飼育については日本で五本の指に入る程度の技術を持ってると思ってる。今後何の役に立つのかさっぱり分からない。